私は京都に生まれ育ち、日本建築に親しんで育ちました。
やがて特に古民家の魅力に惹かれた私は、古民家の再生・改築に携わるようになりました。
古民家再生に携わるなかで、私は素晴らしい伝統の技を受け継ぐ職人たちと出会うことになります。
数多の道具を自在に操り、繊細かつ精緻な技で厳選された素材から雅を創造する職人の技術私は深く感銘を受けました。
木材の面取りひとつとて妥協を許さず、切り旬を見極め、吟味された素材を惜しみなく用いて遊び心宿る木造建築を創り出す職人の姿は私を数寄屋建築の世界へと引き入れたのでした。 |
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数寄屋建築は良い材料を厳選することが命です。
職人は私に、木材の正目の通り方、年輪の状態から判る木の育ち、乾燥の状態など膨大な情報を読み解いてみせ、必ずしも木材の太さがだけが木の強さでは無いことなどを教えてくれました。
あらゆる木材の種類や性質、産地ごとの特徴、正に適材適所の用途などを知り尽くした職人だけが逸品と呼ぶにふさわしい数寄屋建築を創り出すことができるのです。
集成材では真似ることのできない天然木の色・艶・風合い、そして耐久性は日本の気候に合った木造建築ならではのものと、歴史的建造物を見ていただければお解りいただけると思います。
数寄屋建築は職人たちの共同作業で造られます。
共同作業とはいってもそこにあるのは妥協ではなく、各々(おのおの)が最高の技術と魂を込めて仕事をし
切磋琢磨した結果生まれた信頼関係が、逸品となる作品を生み出すのです。
私の願いは数寄屋建築や茶室の文化が末永く保存され続いていくことです。
現在は考えを同じくされるお客様からのご依頼を受け、改築のお手伝いも行っております。
時代の流れに合わせつつも、京都の伝統の技、都の文化を雅を継承し続ける一つの形であると信じております。
京都に息づく伝統の技は末永く残されるべきです。
しかし、職人が腕をふるう場がなければ技術の継承もままなりません。
私は、伝統の技が職人の魂が息づく場を作るため、数寄屋建築の世界を広く知っていただきお客様と気軽に交流できる、その第一歩としてこのホームページを公開いたしました。
自然と響き合う匠の技から生み出され、四季折々の美しさを見せる数寄屋建築の世界をどうぞご覧ください。
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