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【番匠】御数寄屋建築 もり番匠 森博孝 木を愛し人を愛し職人達を愛するから造ることができる粋な建物


『素材・材質へのこだわり』


もり番匠の「番匠」と言う名称はあまり聞き慣れない方もいらっしゃるでしょう。

「番匠」とは木造の建物をつくる職人・大工の事です。


私は若い頃は、大工になるなどと想像もせず、少し元気の良すぎる青春時代を過ごしました。ある時期家族のすすめもありとある大工に弟子入りしました。何故大工に…と思う事もありましたが、よくよく考えると大工と言う仕事は、そう簡単にいつでもできる仕事ではなく、建築物を作り上げるための統括の仕事だと気づきました。

御数寄屋工舎の三宅氏に師事した事で私と数寄屋建築をめぐり逢わせてくれた会社に入社をさせていただき、そこで裏千家流の茶室新編工事を数多く携わり、また御家元の営繕業務として裏千家敷地内にある古い茶室を修繕工事をたずさわらせていただいた亭が数寄屋建築の魅力に引き込まれていくきっかけとなりました。


木材・銘竹・畳・表具・瓦・建築板金・建具・庭・壁・洗い。

 

数寄屋建築を仕上げるために、大工は全てを知らねばなりません。日々勉強と肝に銘じて精進しています。


 

木造建築なのですから当然「木」を知ることが重要です。現在ではお仕着せの木材などを使って建築をする事が増える風潮ですが、それでは最高の建築物はできないと思います。

 

一概に柱や板と言っても、原木の状態、切り出す部分、切り出す方向、使う方向、削り出す技…色々な知識の基で使用しないと良い建築物はできません。


 

木の特性を知る大工として、材料の使い方を考え、材料をプロデュースし、自分自身の手で刻み削る。木を知るからこそ美しい仕上げができるのです。



『道具の話』


 

大工は色々な道具を使います。

 

例えば関西と関東は鉋の歯の長さもちがったりします。

 

多くの素晴らしい道具を使いこなすのも大工の技の1つだと思います。


 

●測る道具

   

直角定規 指金 折り尺 巻金 アルミ定規 巻き尺  等


 

●叩く道具

 

玄翁 金槌 釘〆 木槌  等


 

●切る道具  両刃鋸 片刃鋸 胴突き鋸 等


 

●掘る道具

 

突き鑿(透き鑿) 追入鑿 叩き鑿 丸鑿 等

●削る道具

 

 平鉋(台鉋) 際鉋 底取り鉋 脇取り鉋 面取り鉋 台直し鉋 等





『仕事への取り組みの話』

私は修行していた所で日本古来からずっと受け継がれてきた伝統工法を学んでまいりました。それは金物を使わず建築構造を組み上げる工法で先人達が荷重や振動で建物が傷まない様な「仕口」(木材と木材の接合邦の加工)を考案し、木の性質を熟慮し使う場所や使う方向(縦・横 上・下)を見極めて木と木を組み合せる「木組み」を用いました。

その伝統工法で建てられた建築物(茶室や社寺など)は何年建っていられるか計算上で証明されている近代建築とは違って今現在、現実として何百年、何千年と建ち現存しているのです。

その工法を学び受け継ぐ事は自分自身にとって何よりの自信となっております。

反面、長い年月の中で老朽化に耐えられず倒壊した建物が数多くあるのも現実です。

そこで私は伝統工法を学んで実践してきた者として伝統工法だけに頑固に執着するのではなく、より木造建築を未来に伝えるために近代に作られた金物を有効に取り入れることも視野に考えております。

それは金物に頼って金物で建築構造を作るのではなく、伝統工法を基に、あくまでも手助けとして上手く活用し現在の気候風土に適う木造建築をと日々精進してまいりたいと考えております。

また、そうした事が出来るのも古くから伝わる伝統工法を学び実践してきた者だからこそ出来る事だと自負しております。

 

『建築における祭りの話』

建物を造成するにあたり主に「地鎮祭」「上棟祭」「竣工祭」と3つのお祭りが執り行われます。

「地鎮祭」

地鎮祭(じちんさい)また床鎮祭(とこしずめのまつり)と言うこの祭りは建築を行う土地に神様をお招きして行う祭りです。

この祭りは古来より神々の物とされてきた大地に建物を造成することの許しを乞う儀式です。この時お招きする神様はその地域を治める氏神様であり従ってその地域の神社に祭りの斎主を依頼することとなります。

また神々の許しを乞うと共に、建物の基礎をするために虫や小動物の住み着く地面を掘り返し、また建物を建てるためにその土地に根付く草木を刈り取る訳ですから、それらの生命の魂を神様のお力によって鎮めるための儀式ともされています。

「上棟祭」

この祭りは柱・桁・梁・母屋木などの基本構造が組上がり最後に建物の最上部にある棟木を設置する時に行われる儀式です。

柱や土台が老朽や腐敗などで傷んだ場合、建物の形成は崩れ最上部にある棟木は地に落ちてしまいます。そうした事から棟木は建物が存在する象徴的存在ともいわれます。

その棟木に神様をお招きし、御宿りいただいて建物をお守りいただく様に願う儀式です。その際、我々大工は屋根に上り『千歳棟 万歳棟 永々棟』と祈りを唱えながら棟木を打ち納めます。

「竣工祭」

仏閣建築では落成法要とも呼ぱれるごのお祭りは建築物が無事に完成したことを神様に御報告し、お礼を申し上げると共に、引き続きその建物をお守りいただく様に願い祈る儀式です。

最近はその儀式と共に建築工事に携わった者への慰労と御施主様の関係者への披露の宴として行われる事も多いようです。

 

『愛する事が一番大切』


 

1つの建築物を造りあげる時、そのすべてにかかわる職人は家族化します。家族である信頼関係がないと決して最高の建築物は出来上がらないと思います。私は職人さん達の中では若い方なのですが、先人の匠達が築き上げ、積み上げられた一番良い状態の知識を教えてもらえました。それはスペシャリストならではの素晴らしいアドバイスで、私にとっては最高の宝物です。

 

材料にしても、その素材の最高の状態を匠のみなさんから提供していただけます。

 

それだからこそお客様に最高のご提案と技をご提供できると思っています。

 

木を愛し人を愛し職人達を愛するから造ることができる粋な建物を少しでも多くの方々にご提案できたらと思っています。

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