このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得


【表具師】表具師 静好堂中島 代表 中島文雄 先人に学び半歩でも前進し、そして後人に伝えていきたい

『表具師の仕事』

私ども兄弟は、父の代から裏千家今日庵にお出入りを許されている表具師です。

裏千家での表具師の仕事は、主に掛け軸の表装とお茶室の襖、障子の張りなどを作製です。

他にも表具師の仕事としては屏風(びょうぶ)・ 腰張(こしばり)など「和紙」を使った仕事を行います。



『道具の話』 

表具師の仕事にかかせないのは「糊」と「和紙」と「刷毛」です。

糊は襖や障子、掛け軸の一部に使用する粘りけがあり粘着性が強い「正麩糊」と、掛け軸の裏打ちに使用する10年ほど寝かせて粘りけが少なくなり、気温などに影響されにくくなった「ジン糊」(古糊)の2種類があります。

障子に使う和紙にも色々種類があり高級なものでは重要無形文化財に指定されている「美濃和紙」なども使用いたします。 襖の紙は和紙(京唐紙)を使用します。一概に襖といっても何種類もの和紙を張りかさねて作るのです。

 

 

『襖の話』

みなさんは襖が何重にも重ねて張られている事をご存知でしょうか?

 

1.骨縛 下地骨に糊を塗布し、霧吹きなどで軽く湿らせた生漉き和紙をしっかりのり付けし、下地の緩みと動きを止めます。


 

2.胴張 和紙全体に糊を塗布してなで刷毛で黒い染紙を張り光りを遮断します。


 

3.鎧掛 下地側へ部分的に糊を付け、生漉き和紙をずらしながら重なりをもたせて鎧のように段々に張ります。重なり幅が狭くなるほど張る枚数が増え、防音や襖にふくらみを持たせる効果が高まります。


4.鎧縛 鎧掛けの上から全面に糊を塗布した厚口の生漉き和紙を貼り、なで刷毛で押さえます。下地全体を引き締め強度もたかまりますので、多少のことでは破れることはありません。


 

※いずれも乾燥させてから次ぎの行程に移ります。特に下張り後は1ヶ月ほどに期間を置きます。この下張りが乾いた段階で現場に持っていき建て合わせ(傾きや幅をカンナで削り合わせること)ます。その後、みみ漉きをおこないます。(前行程までに重ねて貼られた和紙を小刀で漉く事)


 

5.下浮・上浮 表張りが下張りに直接付くのを防ぎ、美しく貼るための作業です。水切り(紙の切断部分に刷毛で細く水を付け、へらで押しつけてから手でちぎります。浮け用には大判の美濃紙を重ねて四等分にします。)した薄手で丈夫な美濃紙に周囲だけ細く糊を塗布し、水刷毛で縞水(濡らした刷毛で軽く紙を撫で湿らす事)を施し、袋状に貼ります。このときの裏面は框の側面のみとなり、襖全体が浮いた状態になります。浮けは何回も貼り重ねるほどきれいに仕上がります。


 

6.清張 上張りを補強する裏打ちのため薄手の上質の和紙を張ります。


 

7.表張 最後に仕上げの表張りをします。表張りの和紙はお好みやお部屋に応じた様々な種類の和紙や柄があり、その家々によってオリジナルの文様の型がある場合もあります。その後、縁打ち、引き手の取り付けで完成となります。 


 

どの部分にも意味必要があり、襖というものは古から、気候に対応し、音も遮断できる機能的なつくりになっているのです。




『一番大切なこと』

 

先人の技術を学びその上で一歩、いや半歩でも前に進めることが出来、後人に伝えていくことが出来れば良いと思っています。

プライバシーポリシー