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名栗師 原田貞夫・原田隆晴 木の目をよみ雅な斧の痕跡を生み出す。

『名栗とは』

「名栗」(なぐり)とは数寄屋建築の意匠として好まれている化粧材で、名前が現すように栗の木を、釿(チョウナ)や与岐(ヨキ)を使い斫ったもので、その斫りの文様の美しさが、お茶人には愛でられている。

斫の断面は六角が基本であるが、四角、五角、八角もあり、斫り方は「波形」「竹節形」「亀甲形」など。数寄屋建築のお茶室の床柱・化粧垂木・欄干・化粧梁など多くの用途に好まれている。

力強い「釿(チョウナ)仕上げ」と優しい「与岐(ヨキ)」がある。

名栗

名栗名栗名栗

 

『斫りは一振りで』

はつり

名栗に使われる栗材は、丹波産を始め国産がよい。特に名栗の発祥の地と言われる丹波産の栗材は光沢が一番強く、仕上がりが美しい。

栗材に釿(チョウナ)と与岐(ヨキ)だけで文様を生み出すのには、職人が振り下ろすその一振りが重要でやり直しはきかない。振り下ろされ、斫ったそのままの文様が化粧となっていくため、木の目を読み、振り下ろす力の入れ具合を均一に保たなければならない。

木の目を読み、振り下ろす角度を定めないと、栗材が一瞬にして裂けてしまうし、文様も不均一になってしまう。

実際の作業風景も、斫る音が大変リズミカルで、名栗師原田さんの呼吸と振り下ろす手が一体となって、見る見る間に栗材には美しい斫りの文様が刻まれていく。この釿(チョウナ)と与岐(ヨキ)だけで斫りができる名栗師は今ではほとんどいない。

名栗師与岐(ヨキ)与岐(ヨキ)

名栗師名栗名栗

 

『技術の継承』

「栗材の原木を見極め、木の目を読み、与岐(ヨキ)と一心同体になり、与岐(ヨキ)だけを使って名栗を原木から仕上げられるのは原田貞夫しかいない。」これは息子の原田隆晴さんの言葉。

父であっても仕事では尊敬する師匠であり、その師匠にはまだまだ追いつけないと、日々精進する。

 

製材や名栗の世界でも機械化が進み、機械生産された名栗も増加の傾向にはあるが、一本一本の木の性質、形、木の目を読み、手作業で斫られた名栗の素晴らしさは機械では決して生み出せない。

長い長い年月をかけて修行し習得する、名栗師の技術が生み出すその雅やかな名栗が継承されていくことを期待する。

名栗名栗名栗

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