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【瓦師】北尾瓦店 代表 北尾哲也 屋根・瓦は見えにくい所だが、その屋根や瓦が大切なものを護っている。

『仕事・道具・素材・材質へのこだわり』

仕事は必ず最後の完成を頭に思い描いて取り組みます。

例えば現在の熨斗瓦の規格は厚みが1寸あります。それを棟に積むと重く見えますが、厚み8分の熨斗瓦で積むと、このたった2分の違いが屋根の見た目が「あっさり」と容姿を変えます。この2分のこだわりを大切にしています。



一般的に屋根の素材としての瓦は淡路産や三州産の瓦を使用しておりますが、特殊な瓦に関しては、自ら京都の窯元に行き特別に製造してもらい「京都らしさ」を出す様にしています。

屋根の形状には「そり」と「むくり」と言うのがあり、特に数寄屋建築に好まれる「むくり」は屋根がふっくらと丸みを帯びて大変上品で優しく暖かい感じがします。この「むくり」も私達屋根の職人の技によって表現される大切な技術だと思っています。



『瓦の話』

「瓦」の種類も色々あります。

三大産地と呼ばれる三州・淡路・石州では瓦は地場産業で、全国広域に使用されています。他に埼玉県の埼玉瓦・石川県の能登瓦・静岡県の遠州瓦・愛知県の三州瓦・岐阜県の美濃瓦・福井県の越前瓦・京都の京都瓦…など、各地で気候や風土にあった瓦が製造されています。


『仕事の裏話』

先代がよく「影には勝てん」と言っていました。どういう事かといいますと、見ても全く解らない瓦の重なりの段差などが影になると大きく見えます。そこまで見る人もいませんが、先代は「影に勝てたら大したもんや」と私に言っていました。



『屋根は一番大切なところ』

以前に施主様に「瓦屋さんは可哀想ですね。折角綺麗にに葺いた瓦があんまり見えないし」と言われたことがありました。確かに場所にもよりますが、見えにくいものです。でも思います、瓦だけには限らず建物の中で、屋根は一番見えにくい所ですが、大切なものを護る一番大事な部分だと思います 

そしてこの瓦(和型)とは別に、色々な新しい屋根材が誕生していますが、昔からあるいぶし瓦は、雨が降ったら黒ずみ、晴れ上がったらキラキラと輝いてくる変化が大変美しい瓦だと思います。 

それにいぶし瓦は四季による見方が出来ると思います。春の淡い桃色の桜、夏の緑の樹木、秋の紅い紅葉の帳、冬の薄っすら雪化粧。これら四季の景色に一番よく映るのは、遠い遠い昔、人類によって偶然に発見され誕生した、いぶし瓦だと思います。

これからもさまざまなな場所で、あのいぶし銀の色を魅せながら建物を雨、風、さらに暑さ寒さから護ってくれると思います。

そして北尾瓦店も先人が残してくれた、この伝統と文化を、これからも守っていこうと思っております。

                 北尾瓦店 店主ー京の職人の語りを聞くー より
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